体外受精の凍結保存
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体外受精(IVF)の凍結保存
体外受精(IVF)の凍結保存とは、受精卵や受精卵が成長し培養された胚を凍結して保存することです。
凍結保存は、将来の妊娠のために胚を保管する場合や、最初のIVFサイクルが失敗した場合に再試行するために胚を保存する場合などに利用されます。また、特定の医療条件や治療法によって生殖能力が影響を受ける可能性がある場合にも、凍結保存が行われることがあります。
胚の凍結保存プロセスでは、胚が極低温の液体窒素中で保存されます。凍結された胚は液体窒素のタンク内で保存され、必要に応じて取り出されます。
体外受精(In Vitro Fertilization、IVF)は、生殖補助医療(Assisted Reproductive Technology、ART)の一種であり、不妊症治療のための方法です。体外受精は、女性の卵子と男性の精子を体外で受精させ、受精卵や胚を形成し、それを女性の子宮に移植することで妊娠を達成するプロセスです。
IVFのプロセスは次のようになります。
受精と胚の形成
まず、卵巣から収集された卵と収集された精子を培養皿で受精させ、受精卵や胚を形成します。
凍結準備
受精卵や形成された胚が培養されると、凍結に備えて特別な凍結媒体に移されます。この凍結媒体には、細胞の保護剤や凍結時の氷結を最小限に抑えるための成分が含まれています。
凍結処理
凍結媒体に移された受精卵や胚は、低温に冷却されます。一般的に、液体窒素が使用され、氷結による細胞の損傷を最小限に抑えます。
凍結保存
凍結された受精卵や胚は、液体窒素が入ったタンク内で保存されます。これらのタンクは、非常に低温で安定した状態を維持し、胚を長期間保存します。
解凍と胚移植
将来の妊娠のために受精卵や胚を使用する必要がある場合、胚は液体窒素から取り出され、解凍されます。解凍された胚は、子宮内に移植されます。
体外受精の凍結保存の目的
体外受精の凍結保存は、いくつかの主な目的があります。
将来の妊娠の可能性を確保する
体外受精治療で生成された余剰の受精卵や胚を凍結保存することで、将来の妊娠のために使用できる胚を確保します。これにより、複数の妊娠の機会を持つことができます。
治療の成功率を向上させる
移植された胚が妊娠に至らなかった場合、凍結保存された胚を後日移植することができます。これにより、再度の妊娠のチャンスが提供され、治療の成功率が向上します。
治療のコストやストレスを軽減する
余剰の受精卵や胚を凍結保存することで、将来の妊娠のために追加の体外受精サイクルを必要とする可能性が軽減されます。これは、治療のコストや身体的、感情的な負担を減らすのに役立ちます。
体外受精の凍結保存は、将来の妊娠の可能性を確保し、治療の成功率を向上させ、治療のコストやストレスを軽減します。
Strex プログラムフリーザー CytoSAVER
Strexは、細胞の効果的な凍結保存を可能にするプログラムフリーザーであるCytoSAVERを提供しています。液体窒素を使用せず、コンタミネーションのリスクを低減し、細胞の凍結操作が簡便かつ安全であり、貴重なサンプルを安定して保存できます。プログラム可能な凍結サイクルにより生存率を調整でき、大型の液体窒素タンクは不要です。FZ-2100およびFZ-2200モデルは、約1mLのサンプルを最大81本まで収容できる設計です。また、FZ-3100およびFZ-3200モデルは最大171本の1mLサンプルを搭載できます。これにより、異なる規模や要件に対応するために最適なモデルを選択できます。
FDAタイトル21 CFRパート11(cGMP)に適合しているFZ-2200およびFZ-3200モデルもCytoSAVERラインナップに含まれており、これにより規制要件を満たす環境での使用が可能です。ブロックを外すことで、血液バッグも効率的に搭載できます。
CytoSAVER プログラムフリーザー FZ シリーズ
CytoSAVER プログラムフリーザー
CytoSAVER プログラムフリーザー FZ シリーズは、幹細胞、臍帯血、そしてIVFといった研究用細胞サンプルを、液体窒素を使用せずに徐々に凍結していくことができます。貴重なサンプルの冷凍プロセスの高い再現性と生存率を得るために、凍結速度を正確に制御することができます。卓上型の非常にコンパクトな設計です。
CytoSAVER プログラムフリーザーの特徴
液体窒素不要
CytoSAVER プログラムフリーザーは、液体窒素を使用せずに電気だけで凍結します。液体窒素による汚染を嫌うクリーンルームや、窒息の可能性のある狭く閉鎖した環境でも安心して使用できます。ランニングコストがかからず、液体窒素供給のための配管も不要なため、クリーンルーム内の工事をする必要もありません。通常の電化製品と同様、設置して電源ケーブルをコンセントにつなぐだけです。
スターリングクーラーによるCFCフリーシステム
レポート出力
プログラムの設定は、正面のタッチパネルで入力できます。PDFで運転レポートが作成されます。レポートはUSB経由で出力できます。
タッチパネル式のディスプレイ
高い作業効率
サンプル凍結後にサンプルを他の装置に移したのちは、装置温度を内臓ヒーターで+4℃または室温まで一気に温めることで、次の作業までの待ち時間を最短に保ちます。
実施記録とバリデーション
細胞加工施設での機器の利用については、実施記録が正しく残されることが重要です。細胞の凍結処理の結果データは実施するたびにPDF形式のレポートで出力することができます。また、GMPに対応するバリデーションやIQ/OQについても柔軟に対応できます。
PDF形式で凍結レポートを出力